AIでESを書いた学生と自分で書いた学生、採用担当者には見分けられるのか
「ChatGPTでES書いたけど、バレるのかな…」
「みんなAI使ってるし、使わないと損じゃないの?」
「AI使って通過するなら、使った方がいいよね?」
就活でAIを使っている大学生なら、一度はこんな疑問を持ったことがあるはずです。
結論から言います。採用担当者には、ある程度わかります。 ただしそれは「AIを使ったかどうか」ではなく、「AIに丸投げしたかどうか」という意味です。
そしてさらに重要なのは、「見分けられるかどうか」よりも、「面接でボロが出るかどうか」という問題の方が、就活の合否に直結しているという現実です。
この記事では、採用担当者・人事の発信や複数の調査データをもとに、AI ESの実態と採用現場のリアルな視点を解説します。
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まず現状を知る:就活生の3人に2人がすでにAIを使っている
「AI就活」はもはや少数派ではない
最初に、現在の就活の実態をデータで把握しておきましょう。
マイナビが発表した「2026年卒 大学生キャリア意向調査(2025年5月)」によると、26卒学生の就職活動でのAI利用率は66.6%。2024年卒時点の33.3%から、わずか2年で2倍に急増しています。さらに別の調査では、AI利用経験率は82.7%に達するという数値も報告されており、「AIを使っていない就活生の方が少数派」という状況が生まれています。
利用目的の内訳を見ると、最も多いのが「ESの推敲・ブラッシュアップ(68.8%)」、次いで「ESの作成(40.8%)」となっています(マイナビ調査より)。つまり、ゼロから全部AIに書かせるというよりは、自分で書いた内容をAIで整えるという使い方が主流です。
企業の4割はまだ対策すらしていない
では企業側はどう見ているのでしょうか。採用担当者向けに特化した社労士・あさみ氏がnoteで紹介したキャリタス調査(2025年7月)のデータによると、学生のAI利用を「実感している」企業は38.2%と前年から大幅増加した一方で、AI活用への対策が「必要性を感じていない」企業は40.2%にのぼります。
つまり、学生の8割超がAIを使っているのに対して、企業の4割はまだ何も対策していないという大きなギャップが存在しています。これが現在の就活市場のリアルです。
採用担当者にはわかるのか?現場のリアルな声
「わかる」と言う採用担当者の視点
採用担当者の目線から就活情報を発信している媒体「他山之石」(2026年1月)では、現役採用担当者がAI ESについてこう語っています。
「落ちちゃうESの典型は、AIに丸投げして、自分のエピソードが抽象的になっているもの。誰にでも当てはまるような綺麗な言葉が並んでいるだけで、その子の『体温』が伝わってこない」
さらに同媒体では、企業側もAI利用を「察知している」と指摘しており、「似たような言い回しのESが続くと、これもAIのテンプレートかな、とすぐわかってしまう」という現場感が語られています。
採用担当は毎日数十〜数百のESを読んでいます。似通った構文・言い回し・展開パターンが続くと、それがAI生成である可能性を敏感に察知します。
ロート製薬はES選考そのものを廃止した
「AI ESの見分け」という問題が、採用制度そのものを変えた事例も出ています。
日本経済新聞(2025年12月)の報道によると、ロート製薬は「Entry Meet採用」を導入し、ESによる書類選考を廃止しました。AIを使ったES作成が増え、応募書類の内容から学生の熱意や個性を評価することが難しくなったことが背景にあります。同紙は「学生側もAIでESを作成するようになったため」と明記しており、AI ESの蔓延が採用制度の変革を促したという構図が起きています。
これは「見分けられるかどうか」の問題ではなく、「ESで評価すること自体が難しくなった」という判断です。
企業が評価基準をシフトさせている
あさみ氏のnoteでは、この状況への採用担当者側の対応として「評価基準を文章力から経験と価値観の深さへシフトする」ことを提言しています。具体的には「何をしたか」ではなく「その時、何を考え、どのような感情で行動したか」という内省と行動プロセスを問う設計に変えていく動きが、採用現場で広がっています。
AIが「論理的で完璧な文章」を生成できるからこそ、企業は「AIでは生成できない学生固有の要素」を評価しようとしています。
「バレないから大丈夫」が危険な本当の理由
「ESの段階でバレなければいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、ここに大きな落とし穴があります。AI ESの本当のリスクは、書類選考の通過後に現れます。
AI ESが面接で危険な理由は、主に以下の3点です。
- 面接で「ES通りに話せない」問題が起きる
- 深掘り質問に答えられない
- 「自分の言葉」で語れないと人物評価が下がる
1. 面接で「ES通りに話せない」問題が起きる
AIが生成した文章は論理的で整っていますが、自分が経験していないニュアンスや感情が含まれることがあります。ESには「チームの課題を察知して主体的に行動しました」と書いてあっても、面接で「具体的にどういう場面でそれを感じましたか?」と聞かれると、詳細なエピソードが出てこない、ということが起きます。
採用担当者は、ESと面接での発言の一貫性を無意識に確認しています。ESに書いてあることを「体験した記憶」として話せない場合、その違和感は面接官に伝わります。
2. 深掘り質問に答えられない
「他山之石」の採用担当者が指摘するように、評価される学生は「AIに構成を整理させた後で、必ず自分にしか語れない具体的な失敗談や、その時どう感じたかという感情を付け足している」。
面接で必ず行われる深掘りに耐えるためには、ES に書いた内容が自分の実体験と感情に紐づいている必要があります。AIが書いた「誰にでも当てはまる綺麗な言葉」は、深掘りされた瞬間に崩れます。
3. 「自分の言葉」で語れないと人物評価が下がる
あさみ氏はnoteの中で「企業が求めるのはAIが生み出す平均点ではなく、その学生固有の熱量と個性だ」と指摘しています。面接では、採用担当者は無意識に「この人はどんな人間か」を読み取ろうとしています。AIが生成した文章の言葉を機械的に話すだけでは、その「体温」は伝わりません。
では、AI ESで「受かる人」と「落ちる人」の差はどこにあるのか
「受かるAI ESを書く人」と「落ちるAI ESを書く人」の差は、AIをどう使うかにあります。複数の採用担当者の声と調査データから、その境界線は明確に見えています。
| 落ちる使い方 | 受かる使い方 | |
|---|---|---|
| 使い方 | AIに丸投げ、そのまま提出 | AIを下書き・構成整理に使い、自分の言葉で仕上げる |
| エピソード | 誰にでも当てはまる抽象的な表現 | 自分にしか語れない具体的な場面・感情 |
| 面接との一貫性 | ESと面接での発言が噛み合わない | ESの内容を自分の体験として語れる |
| 深掘りへの対応 | 「なぜ?」に詰まる | 感情・思考プロセスまで説明できる |
「他山之石」の採用担当者はこう語っています。
「結論として、AIを使うのは全く問題ない。でも、最後に必ず読み直して、自分の声が聞こえる文章になっているか確認してほしい」
これが現場の採用担当者の本音です。AIの利用自体を問題視しているのではなく、「自分の声が消えているかどうか」を見ているのです。
企業側の採用制度はこれからどう変わるのか
AI ESが蔓延する中で、企業の採用制度は今まさに変わろうとしています。現状と今後の方向性を整理すると、以下のような流れが見えてきます。
企業側の対応は、主に以下の3方向に動いています。
- ES選考の廃止・縮小(ロート製薬のEntry Meet採用など)
- AI利用を「対話の対象」にする面接設計の導入
- 評価基準を「文章力」から「経験・価値観の深さ」へシフト
ES選考の廃止・縮小
ロート製薬のように、ESを廃止して直接対話や動画選考に切り替える企業が出始めています。HRmony AIのレポート(2026年3月)によると、三菱重工業やキリンホールディングスなど大手企業もAI面接を初期選考に試用するなど、「ESに頼らない選考設計」への移行が進んでいます。
AI利用を「対話の対象」にする
あさみ氏のnoteでは、「AI利用を禁止ではなく対話の対象にする」というアプローチを提言しています。「ES作成時にAIをどのように活用しましたか?」と面接で直接聞くことで、学生の思考力・デジタルリテラシー・誠実性を評価するという方向性です。「AIをどう使ったか」自体が、その学生の資質を見せる材料になるという考え方です。
評価基準のシフト
文章の完成度で差がつかなくなった今、採用担当者が重視するのは「なぜその行動を選んだのか」という意思決定の根拠と個人の価値観です。これはAIが生成できない、その人固有の要素であり、面接・グループディスカッション・インターンシップでの行動観察に評価の重心が移っています。
結論:「AIを使ったか」より「自分の言葉があるか」が問われている
ここまで見てきた採用担当者の声・調査データの結論は、一つに収束します。
採用担当者が見ているのは、**「AIを使ったかどうか」ではなく、「その文章の裏に、あなた自身の体験・感情・思考があるかどうか」**です。
- 26卒学生のAI利用経験率は82.7%に達し、ESにAIを使うこと自体は「当たり前」になっている
- 一方で企業が評価したいのは、AIが生み出す「平均点」ではなく、その学生固有の「熱量と個性」
- 「落ちるES」の典型は「AIに丸投げして、自分のエピソードが抽象的になっているもの」
- ロート製薬のようにES選考そのものを廃止し、直接対話を重視する企業も現れている
これらは独立した複数のデータと声が、同じ方向を指しています。
「AIを使ってバレないか」という心配より、「面接でちゃんと自分の言葉で語れるか」を心配した方が、就活の本質に近い問いです。AIは下書きや整理に使い、最後に必ず「自分の声が聞こえるか」を確認する。これが採用担当者が本当に求めているESの作り方です。
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「そもそも語れる経験がない」「ガクチカにできる実績がない」
こう感じている大学生ほど、実はAI ESの罠にはまりやすいと言えます。語れる経験がないからこそ、ESの文章をAIに頼りきってしまい、結果として「誰にでも当てはまる抽象的な表現」になってしまうからです。
ここまで見てきた通り、採用担当者が本当に見ているのは「AIを使ったかどうか」ではなく、「その文章の裏にあなた自身の体験・感情・思考があるかどうか」でした。つまり、AIをどれだけうまく使うかを工夫するよりも先に、AIでは作れない一次情報=自分だけの経験を持っていることの方が、根本的な解決策になります。
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このプロセスの中では、
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といった、まさに面接で深掘りされる要素が、開発という実体験の中に自然と積み重なっていきます。ESを書く段階で「話を盛る」のではなく、実際に体験したことを話すだけで、深掘り質問にも詰まらず答えられる状態になります。
しかも、プログラミングやITの知識そのものが「AIを正しく使いこなせる人材」としての証明にもなります。AIを使うこと自体が当たり前になった今の就活市場で、「AIの中身をある程度理解した上で使っている」という事実は、他の就活生との明確な差別化になります。
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まずは無料説明会をのぞいてみるまとめ|「自分の声が聞こえるES」だけが、面接に耐えられる
今回取り上げた採用担当者・人事の声と調査データを振り返ります。
- マイナビ調査:26卒の66.6〜82.7%がAIを就活に利用。ESに使うこと自体は当たり前
- キャリタス調査:企業がAI利用を「実感」している一方、4割が対策なしという大きなギャップがある
- 採用担当者の本音:バレるのは文体ではなく、「体温のなさ」と「面接での深掘りへの弱さ」
- ロート製薬など:AI ES蔓延を背景に、ES選考そのものを廃止する企業も出ている
- 企業の対応:評価基準を「文章力」から「経験・価値観・意思決定の根拠」へシフト
AIはESを書く道具として使って構いません。ただし使い方が問われています。「AIを使ったかどうか」ではなく「最後に自分の声が残っているかどうか」。それが採用担当者が今、ESで見ていることです。
