Pythonの人気フレームワークを徹底比較!【2023年版】
こんにちは、GeekSalonライターのたかぱんです。
この記事をお読みの方は「Pythonのフレームワークってなんだろう?」「どのフレームワークを使用すればいいのだろうか」といった疑問やお持ちではありませんか?
この知事では、以下の3つについて説明していきます。
- フレームワークとはなにか
- Pythonのフレームワークの種類
- おすすめなWebフレームワーク
Pythonはそのシンプルさと可読性の高さで知られており、機械学習やデータ分析などに使用できるということで有名ですが、実はWeb開発やディープラーニングもできる言語だということをご存知ですか?
ではフレームワークとはなにか、どのようなフレームワークがあるのか見ていきましょう。
目次
Pythonのフレームワークとは?
ではまず、フレームワークとはなにか?について説明します。
フレームワークとは、プログラミングの効率化と構造化を支援するためのツールやライブラリの集合体です。
わかりやすく言い換えると、フレームワークは開発者がアプリケーションを構築する際の土台や骨組みとなるものです。
さらに土木工事に例えると、フレームワークはある程度設計された骨組みに当たるもので、利用者はフレームワークを利用することで、自分で骨組みを設計をする段階をすっとばして、部屋の設計をすることができるというイメージですね。
つまりフレームワークを使用することで、一般的なタスクや機能(例えば、データベースの操作やセキュリティの管理)をあらかじめ実装してあるため、開発者はゼロからそれらを作り始める必要がありません。
代わりに、フレームワークが提供するルールやパターンに従って、アプリケーションのコードを記述していくことができます。
なぜフレームワークを使う?フレームワークを使うメリット
Pythonのフレームワークを使うことは、以下の3つのメリットがあります。
- 設計の手間を減らしてくれる
- 標準化と一貫性の確保ができる
- コミュニティとエコシステムのサポートが手厚い
設計の手間を減らしてくれる
フレームワークは開発者にとっての手間を減らしてくれます。
これは上でも説明したようにフレームワークは、一般的なタスクや機能をすでに実装しているため、開発者はそれらを再作成する必要がありません。
これにより、開発のスピードが向上し、プロジェクトの納期を守りやすくなります。
加えて、多くのフレームワークは、テストやデバッグのためのツールや機能も提供しています。これにより、品質管理が容易になり、バグの修正や機能の追加がスムーズに行えます。
標準化と一貫性の確保ができる
フレームワークは特定のルールやパターンに従って開発を行うため、プロジェクト全体で一貫性が保たれます。
なぜ一貫性が大事なのかと言いますと、フレームワークはベストプラクティスや設計原則を取り入れており、これに従ってコードを組むことで、より品質の高いアプリケーションを作成することができます。また、フレームワークはセキュリティやパフォーマンスの最適化など、重要な側面をサポートする機能も提供しています。
コミュニティとエコシステムのサポートが手厚い
最後に、外部のコミュニティによるサポートが手厚いことです。
人気のあるフレームワークには大きなコミュニティが存在し、多くの開発者やユーザーが活動し、情報発信しています。
このコミュニティでは、ドキュメンテーション、チュートリアル、サンプルコード、Q&Aサイト、フォーラムなどの形でサポートを提供します。ちなみに、DiscordやSlack、GitHubなどのツールを使用しています。そのため、なにか困ったときに助けてくれる相手がいるので、問題を抱えたまま進まないということが減ります。
ただ、コミュニティは英語ベースのものが多いので、翻訳機などうまく活用して利用しましょう。
Pythonの人気フレームワーク7つを徹底比較
では、Pythonのフレームワークにはどのようなものがあるのか説明していきます。
Pythonの人気なフレームワークには、Webフレームワークや機械学習フレームワーク、サーバー特化のフレームワークがあります。
そしてそれぞれのフレームにも種類があり、以下の様になっています。
どのような用途のフレームワークか、どのような人におすすめかについて、それぞれについて説明していきます。
Webフレームワーク
まずWebフレームワークについてです。
Pythonには多くの人気Webフレームワークが存在しますが、基本的には次の3種類にわけることができます。
フルスタックフレームワーク
具体的な例でいくとDjangoやPloneなどが挙げられます。
大規模なWeb開発をする際に必要な物が揃っており、汎用性の高いフレームワークです。
マイクロフレームワーク
具体的な例ですと、FlaskやBottle、web2pyなどが挙げられます。
必要最低限な機能をまとめたフレームワークです。
機能が絞られているので、初心者がフレームワークに慣れるために使用するのが非常におすすめです。
初心者にはマイクロフレームワークから始めることがおすすめです。ある程度慣れてきたら、フルスタックフレームワークを使用して、使える機能の幅を増やしていきましょう。
非同期フレームワーク
具体的な例ですと、Tornado、FastAPIなどが挙げられます。
複数接続を同時にできるサイトを作成できるフレームワークです。
非同期フレームワークは、リクエストとリスポンスの同期処理ができるオンラインショップなどの実装をしたいという明確な目標がある場合に使用しましょう。
おすすめなフレームワーク徹底解説
ではそれぞれのフレームワークがどのような特徴をもっているのか、もっと詳しく知りたいという方に向けて、Pythonの3大Webフレームワークと言われる「Django」「Flask」「Pyramid」に加えて、非同期フレームワークの「FastAPI」の4つをピックアップして説明していきます。
Django (フルスタック)
DjangoはPythonの中でも最も人気のあるフレームワークの一つです。
Djangoは高いレベルの抽象化を提供し、効率的なウェブアプリケーションの開発を可能にします。Djangoは堅牢なセキュリティ機能やデータベースマイグレーションのサポートなど、多くの機能を備えています。
詳しく知りたい方はこちらへ→公式ドキュメント,Django Girls Tutorial(チュートリアル)
Pyramid (フルスタック)
Pyramidもフルスタックフレームワークで有名なフレームワークの一つになります。
Pyramidは柔軟性と拡張性に焦点を当てたフレームワークです。Pyramidはモジュールベースのアプローチを採用しており、必要な機能を選択的に組み込むことができます。
(モジュールベースとは?)
モジュールベースは、大きなシステムやアプリケーションを小さなパーツ(モジュール)に分けて作る方法です。これによって、チームでの開発が簡単にできたら、コードの調整が簡単にできます。
これにより、小規模なプロジェクトから大規模なアプリケーションまで、さまざまなニーズに対応することができます。
詳しく知りたい方はこちらへ→公式ドキュメント,Pyramid Cookbook(コミュニティのリソース)
少し上級向けな情報になりますが、Djangoの違いを知りたい人、Pyramidについてもっと詳しく知りたい人はこの段落をよんでみてください。
Pyramidは、多機能でスケーラブルなPythonのWebフレームワークであり、シンプルさと高度な機能のバランスを提供します。ミニマリストの設計思想に基づき、開発者は必要なコンポーネントを選択し、特定の要件に合わせたアプリケーションを構築することが可能です。
さらには、Pyramidは、その柔軟性と拡張性で知られています。複雑なWebアプリケーションを構築するための強固な基盤を提供し、他のライブラリやフレームワークと容易に統合することができます。
アプリケーションのあらゆる側面をカスタマイズできる柔軟性を備えつつ、大規模なプロジェクトに対応できるフレームワークが必要な場合、Pyramidは優れた選択肢となります。
Flask(マイクロフレームワーク)
Flaskは一番初心者におすすめなフレームワークになります。
Flaskは軽量なフレームワークであり、小規模なプロジェクトやAPIの作成に適しています。
Flaskはシンプルで使いやすく、柔軟性が高いという特徴があります。また、Flaskは他のライブラリやツールとの組み合わせが容易であるため、開発者は自分の好みに合わせてカスタマイズすることができます。
もっと詳しく知りたい人はこちらへ→公式ドキュメント,Flask Mega-Tutorial(チュートリアル)
FastAPI(非同期フレームワーク)
FastAPIは高速性、モダンなAPI設計、自動ドキュメント生成、豊富なツールセット、強力なエコシステムといった特徴を持つ、人気のあるPythonのフレームワークです。
Web開発というよりは、どちらかというとWebAPIの開発に非常に向いています。
しかし、機能がありすぎて、経験豊富な開発者でないと全ての機能が使いきれない可能性が多いので、初心者向きでないです。ある程度フレームワークの使用方法を他のフレームワークで学び、Web周辺の知識を詰めてから使ってみると、このフレームワークの便利さを実感するでしょう。
もっと詳しく知りたい方はこちらへ→公式ドキュメント,FastAPI GitHub リポジトリ
Django、Flask、FasAPI、Pyramid比較表
Pythonの4つのフレームワークについて色々と説明してきましたが、どのフレームワークがどのような特徴があるのか比較表を作ってみたので参考にしてみてください。
比較項目 | Django | Pyramid | Flask | FastAPI |
学習の敷居 | 高い | 高い | 初心者向け | 中程度 |
機能と拡張性 | フルスタックで豊富な機能 | モジュールベースで柔軟 | シンプルで柔軟 | API開発に特化 |
パフォーマンス | 重いが最適化が可能 | 軽量で高パフォーマンス | 軽量で高速 | 高速な非同期処理 |
コミュニティとエコシステム | 大規模なコミュニティとエコシステム | 小規模なコミュニティだが質の高いサポート | 充実した拡張パッケージ | 急成長中のコミュニティ |
<学習の敷居>
簡単 Flask<FastAPI<Django<Pyramid 難しい
という順の学習難易度になっています。やはり、マイクロフレームワークであるFlaskは始めやすいですね。Djangoに関してですが、全体的な学習コストが高いとされるフルスタックのフレームワークですが、豊富なドキュメントとコミュニティサポートがありますので、挑戦してみたい人にも優しい環境が整っています。
<機能と拡張性>
Flask: シンプルな構造で柔軟性が高く、必要な機能を自由に組み合わせることができます。
Django: 多くの機能がデフォルトで組み込まれており、認証、セキュリティ、データベース管理などの面でサポートが充実しています。
Pyramid: 必要な機能を選択的に組み込むモジュールベースのアプローチを採用しており、柔軟性と拡張性に優れています。
FastAPI: 高速なAPI開発に特化したフレームワークであり、型ヒントや自動ドキュメンテーション機能などの強力な機能を提供しています。
この比較表を参考に、自分の作りたいプロダクトにあったパフォーマンス、さらには自分に適していコミュニティ形態を見つけ、どのフレームワークを使うか決めてみてください。
その他フレームワーク
pythonのフレームワークは、Webフレームワークだけではなく、サーバーと機械学習に特化したフレームワークもあります。
ディープラーニングフレームワーク PyTorch
PyTorchは、オープンソースの機械学習ライブラリであり、ニューラルネットワークや機械学習モデルの開発に広く使用されています。
ニューラルネットワークモデルのトレーニングやインファレンスに使用されます。また、パイプラインの各ステップを細かく制御できるため、実験や新たなアイデアの試行に適しています。
ディープラーニングフレームワーク TensorFlow
TensorFlowは、Googleが開発したオープンソースの機械学習ライブラリであり、深層学習やニューラルネットワークの構築に広く使用され、ニューラルネットワークモデルのトレーニングやインファレンスができます。そして高度な数値計算と大規模なデータセットの処理をサポートしています。
TensorFlowは、モデルのデプロイとスケーリングを簡単に行うためのさまざまなツールと統合が提供されています。
(PytorchとTensorFlowの違い)
上記の説明から、PytorchとTensorFlowの違いがなくない?と疑問に思った方がいると思います。
これに関しては、本当に大差はなく、初心者はどちらを選んでも大丈夫です。
強いて違いを上げるならば、以下の2点をZero-cheeseさんの記事で申しております
- 研究者は、細かいステップが制御できるPyTorchを使用する傾向
- ビジネスまで拡大すると、大規模なデータセットの処理が可能なTensorFlowが優勢
AWS Lambda
AWS Lambdaは、サーバーレスコンピューティングサービスであり、イベントに応じてコードを実行することができます。リクエストやイベントに対して自動的にスケーリングし、複数のリクエストに対応することができます。
(サーバーレスコンピューティングサービスとは?)
サーバーレスコンピューティングは、開発者がサーバーの管理を気にせずにコードを実行できるクラウドサービスです。サーバーの運用やスケーリングはクラウドプロバイダーが行い、開発者はコードに集中できます。
AWS Lambdaを使用することで、簡単なコードのデプロイや管理を行うことができます。
Pythonのフレームワークの選び方
ここまで多くのフレームワークについて説明してきましたが、結局どれがいいのか?と感じる方も多いと思うので、おすすめな選び方を説明していきます。
初心者でWebを作ってみたい人おすすめなのはFlask
Flaskは最小限の構造を持ちながらも柔軟性が高く、必要な機能を自由に追加できます。初心者が小規模なプロジェクトやAPIの開発を始めるのに適しています。Flaskを学ぶ中で、Python言語とWebの仕組みに関して理解を深め、プログラミングの楽しさを感じましょう。
Flaskでは、Pythonの他のライブラリとFlaskを組み合わせることができるので、ある程度慣れてきたら他のライブラリを組み合わせて、自分好みのWebを作ってみましょう。
Webの開発の経験がある方はDjango
Web開発の経験がある方はDjangoフレームワークを使用してみましょう。大規模プロジェクトにも使われるので、就職・転職する際にも大きな武器になるでしょう。
ちなみに、なぜ同じフルスタックフレームワークであるPyramidじゃないのかと言いますと、Djangoのほうが、なにかわからないことが発生した際に相談できるコミュニティの規模が大きいからです。またPyramidは必要な機能を開発者が選んで実装していく形なので、実装できる機能をある程度知っていないとうまく実装できないのです。
機械学習をしてみたい人はTensorFlowとPytorch
Webではなく、機械学習の方に興味がある方はTensorFlowとPytorchを使用しましょう!
Pythonをしっかり身につけたい人におすすめのスクール
Pythonを用いてフレームワークを使用してみると、環境構築や、開発の途中でつまってしまうのは、初心者あるあるだと思います。
パソコンに対する知識がなかったり、パソコンの設定が独自のもので教本と違ったりすることで、エラーが解決できず独学で挫折してしまう初心者は多くいます。
そんなときには、エラー文を検索してみたりすることがおすすめです。
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